ゆっくり歩く篠田くんのとなりに並んだ。


今気づいたけど、
普段歩くのが遅い私に合わせて
同じペースで歩いてくれてる。


…本当に優しい。


その優しさと、笑顔に
焦がれて顔が赤くなった。



「………」



それからまた、話すこともなく
歩いた。


時々、話しかけてくれて…
私はそれに相づちをうつことしかできなかったけど

だけど、楽しかった。



篠田くんが笑ってくれるから。

私が大した返事ができなくても、
おもしろいことを言えなくても


優しく、笑って聞いてくれる。