「山口さんの家ってどっち?」 篠田くんが止まって聞いてくる。 「こっちだよ。篠田くんは?」 「あっち。」 篠田くんが、私を指差した逆の方向を指さす。 「逆だね」 「そうだね」 「………」 ここでお別れかぁ……と思ってると