「あ、そろそろ帰るねー」 廊下の方を見た高畑くんが立ち上がる。 「あ、うん 今日は本当にありがとうね」 向き直って改めてお礼。 すると人懐っこい笑顔で笑いかけてくる。 「いえいえー。 あ、いつでも話ししてね」 「うん」 高畑くんは「ばいちゃー」なんてかわいいことを言いながら、何も入ってないような薄いバッグを持って教室を出て行った。