大塚恵。
中学2年生。
活発な女の子。素直でクラスの人気者。


線香の香りに包まれ、恵は今日も、仏壇に手を揃えてお婆ちゃんのお参りをした。
これは恵の日課であった。

『…お婆ちゃん、めぐ今日も一人ぼっちになっちゃうよ。でもお婆ちゃんがすぐ傍で見守ってくれて居るから…めぐは今日も頑張れるんだ…。…それじゃあ学校行って来るね。…ばいばい。』

恵は正座していた脚を崩して立ち上がった。

…もうすぐであの人が来ちゃう。

『あの人』とは、恵の付き合っている彼氏、司の事だ。