「......梨咲乃」 「?」 暫くして佐伯が滑り台から降りて、あたしの名前を呼びながらこちらへ近づいてきた。 あたしはブランコをこぐのをやめて、佐伯の顔をじっと見つめる。 「......」 なぜかブランコから降りて、立ち上がる。 「.........さえ───」 あたしの言葉は、予想外の佐伯の行動によって遮られた。 「!?」 「...ごめん」 佐伯は、あたしをいきなり抱きしめたのだ。