外に出ると、思っていた以上に寒くて驚いた。 マフラーでもしてきたら良かった...。 しかも薄着だし、上にコートを羽織ってきただけ。 冬の寒さは、やっぱりあなどれない。 「───佐伯」 待ち合わせ場所に着くと、佐伯が外灯のすぐ下にあるベンチに腰掛けていた。 あたしの呼びかけに気づいた佐伯は、ぱっとこちらに視線を向けると 「梨咲乃」 と、名前を呼んだ。