話し終えたあたしを包んだのは里桜のぬくもりだった。
「翔亜ちゃんは生きてる、闘っている」
里桜は涙を流しながらあたしを見る。
「翔亜ちゃんは1人じゃない。私がいる、龍がいる、修ちゃんがいる。夢を叶えて…」
「…里桜」
あたしはなんで気付かなかったの?人がこんなにも暖かいことに…
あたしのためにこう言ってくれる、あたしのために涙を流してくれる。
あたしは泣かない。その代わり本当の笑顔で里桜に答える。
「そういえば…夢ってなに?」
あっ、やっぱ聞く?それ…
「んー、秘密」
「えー」
あたしは里桜をおいて歩き出す。
後ろから追ってくる里桜はいじけてる…
あたしは誰にも聞こえない声で呟いた。
ー里桜、ありがとう。ー
もう、孤独じゃないんだ…