「……猫ちゃん、何しとるん?」
「んー、一応の守り?」
そう言った瞬間、扉の鍵が開いた。
「ちょっ!!猫ちゃん危ないっ」
「大丈夫」
そのための板だしね。
「え、」
「……っおい!!開かないぞっ」
「なんだとっ!?ふざけんなよっ!」
「でも……っ」
「どけっ……!!」
「……ね?」
「……そ、そやな」
朱雀はボケっ、とした顔で扉を見てから私を見る。
状況を忘れて笑いそうになったのは言わないでおこう。
「これからどうするの?」
「どうする、か……どうしよなぁ…?」
ズボンを叩いてほこりを落としながら朱雀は立って私の方に来た。
想像通り、身長高いなぁ。
「猫ちゃんはどうするんや?」
「私?」
普通なら逃げる場面なんだろうけど、少し興味があるし……
「ばれないように、上から朱雀の仲間の戦いぶりを見物でもしてようかな」
「おっ、それえぇな。なら、ワシも付き合うわ。考えてみたらアイツらの喧嘩姿見たことあらへんし」
どことなく楽しそうに見えるのは気のせいなのか。
本当にいいのか、と一瞬思ったが口にはしない。
助けに行ったら命がない、みたいなこと言ってたし。
私が気にすることでもないだろう。