上目遣いで甘えたように話す……こいつ絶対女たらしの方だ。似合ってるけどさ。
噂、か。多分あのことだろうな。
私の特徴的な銀の髪のこと。
ため息が出る思いだわ。
こんなことまで噂になっているなんて……まぁ"白猫"ってばれたからいいか。
フードを外そうと手をかけると外から何台ものバイクの音が聞こえた。
「お、もう来たみたいやわ。相変わらず速いなぁ」
朱雀が感心したように話しているってことは、今来たのが朱雀の仲間なわけね。
「朱雀はどうするの?仲間といっしょに戦うの?」
ま、聞かなくても参加するんだろうけどね。
「そやなー。今回は一応高みの見物でもしとるかな」
「へぇ……」
意外。
「今、猫ちゃんワシのこと意外、とか思ったやろ?」
「…………」
「図星やな」
ニヤニヤしている朱雀の笑いが何となくムカつく。
「喧嘩を売られたんはアイツらやからなぁ。ワシが参加する、なんて言ったら逆にワシがどうにかなるっちゅう話や。んなもん御免やわ」
「へぇ……」
ご丁寧に身震いするまねまでしてくれた。
器用だな。
怪我痛くないのか?