そう思ったとき向こう側が少し騒がしくなった。
なんだろう……まさか私に気づいたわけじゃないよね?
一応向こうの状況を探ろうとピッキングの準備をしているときに、何人かの気配が近づいて来た。
何?
そしてガチャ、と鍵の音。
何故?
と思ったときには体が反応していた。
バンッ、という派手な音といっしょに何人か人が入って来る。
あ、危なかった。もう少し反応が遅かったら扉に当たってたよ。
私は今、ギリギリ壁と扉の隙間に挟まっている感じです。
扉を全部開けなかった人に感謝します。
「おらっ、入れよ!!」
「ちょっ、丁重に扱ってぇな〜」
「うるせぇんだよっ!!」
「ぐっ……」
ボスッ、という音といっしょに漏れる苦しそうなうめき声。
……どんな状況ですか。