何事かとそちらに目を向けて目を見張った。
強烈なほどの、銀と漆黒の眩しい光。
まるで対になっているような、お互いがいて初めて完成しているような。
そんな二人がそこにいた。
まだ十歳にも満ちていないような小さな女の子に、それよりも少し歳上の男の子。
女の子は眩しいほどの銀の髪に、光の反射によっては銀にも見える、薄い灰色の瞳。
男の子はそれとは対照的な漆黒の髪に藍色の瞳で、右目を眼帯で隠していた。
その瞳や雰囲気は子供らしからず、どちらも大人に負けないぐらいの、いや、それ以上の深い闇を纏っていて。
底が見えないほどの暗い瞳の光に、そのときは軽い恐怖を覚えた。
あとで知った話、彼はBCMの時期後継者で、彼女は彼のお気に入り。
その暗殺の技量はBCMの中では一番だったらしい。
BCM……その多くは謎に包まれた暗殺組織。
誰のどんな難しい依頼も必ずこなし、警察も裏社会の人間も容易に手が出せない。
だから、ああいう場所に現れるのはかなり珍しいということだった。
「あのときの子が……」
風の噂で聞いた話、BCMでは数年前に大きな騒ぎがあって、そのときから彼女の姿が見られていなかったらしい。
かなり大がかりな捜索がされていると聞いていたが、まさかこんなところにいたとは……
「あなた……満月ちゃんのお願い、ちゃんと聞いてくれるわよね」
「あぁ、心配しなくてもそのつもりだよ」
春花を安心させるように笑いかける。
あんなに真剣な瞳で見られて、断れるはずがない。
「よかった……」
ほっとした表情で笑った春花を、私は仕事が残っているからと言って先に寝かせる。