「平気だよ、本当に。心配してくれてありがとう」


「……無理はするなよ」


「うん」



ぽん、と頭を撫でられて頬が緩む。


その温もりが嬉しい。



太陽


ありがとう……





部屋に戻るとみんなが心配そうにしていた。


平気だったよ、と言うと驚いた顔をしていて、その顔に思わず笑ってしまった。



夕方になるとみんなは倉庫に帰って行った。


前までは泊まってたんだけど、今日は冬麻さんがいるから帰る、というらしい。


みんな本当に苦手なんだなぁ、としみじみ思った。



夕飯をご馳走になってから部屋に戻るときに、私は明日家に帰ることを太陽に言った。



「明日?急じゃないか?」



その顔はもう少しここにいればいいのに、と物語っていて。


ちょっとだけ嬉しいなぁ、と思ったり。



「もうだいぶ体調もいいし、家に帰っても大丈夫だよ。あんまり家に帰ってないと家賃も心配だし……それに、前から決めてたから」


「でも……」



太陽は少し不満げ。


本当に心配症なんだから。ここにきて過保護さが悪化してるんじゃないだろうか。



「夏休みもあとちょっとだし、その間は家でおとなしくしてるよ」


「……分かった」



よし、太陽からのお許しも出た。


あとでかな兄たちに教えておこう。


退院して太陽たちのところにいるって言ったとき、かな兄電話の向こうで泣いてたからな。