冬麻さんの表情も、さっきとは打って変わって柔らかいものになっている。



「いえ、知らない人を警戒するのは当たり前のことですから」



そう言うと少しだけ目を見張る。


ふっと笑った顔は太陽と似ている。



「そう言ってもらえてよかったよ……太陽、いい子を見つけたね。春花の言っていた通りの子だ。大切にするんだよ」


「あぁ」



それから春花さんも交えて少し話してから私と太陽は部屋に戻った。



「満月、大丈夫だったか?」



歩いている途中で太陽を見ると、心配そうに私を見ていた。



「冬麻さんのこと?ちょっと驚いたけどね」



いろいろな意味で。


心の中でそう付け加えてニッコリと笑うとぺちっとおでこを叩かれた。



「いたっ……」


「作り笑いするな」


「え、」



ピタ、と私の動きが止まる。



「……なんで、作り笑いだと思ったの?」


「なんとなく」



いつもと違った、と言う太陽に思わず目をそらした。



バレてない自信、あったんだけどなぁ……そっか。私もあそこを離れてもう二、三年も経ったのか。


自分で言うのもなんだけど、平和ボケしたから鈍ったのかなぁ。