「もういいから。せっかくだしマナさんと大ちゃんも一緒にごはん食べよ」


「そうだね」


「俺、走ったら腹へった〜」



と言うわけで、かな兄を先頭に私たちはようやくお店についた。



私たちが来たのは最近ニュースになっていたカフェ。


なんか、かな兄ずっとここのオムライスが食べたかったけど、一人じゃ寂しかったらしい。


だからこの機会に、ってね。


席に座り、さっそくメニューを見る。



「やっぱりオムライスだろ」


「ここはパスタも有名なんだよ」


「そうなんだ」



情報通な音兄にいろいろ教えてもらって、私はトマトソースのかかったパスタに決めた。



「つーかさ、ものすっげぇ視線感じるよな」


「そーだね」


「満月ちゃん、相当気に入られてるんだね」



料理を待っている間に感じる鋭い視線。


………い、痛い。



「あいつらめちゃくちゃ見てるぞ」


「いや、かな兄、見えてなくても分かるから」



はぁ、と向かい側に座って笑っているかな兄にため息をつく。


ついでに言うとその隣に音兄がいて、私の隣にはマナさんと大ちゃんが座っている。


そして後ろからの視線……振り向けないけど、絶対いるよね。