「………あぁ」
何のことを言われているのか首を傾げそうになったけど納得する。
だって、なんか怖いんだもん。後ろからのオーラが。
嫌でも気づくよ。
「なんか、かな兄と音兄と買い物してたらついてきちゃって」
「じゃあ、あれが今の双翼の?」
「なるほどねぇ〜」
二人は納得したように顔を見合わせる。
……私には分からない。
「奏と音は?」
「さぁ。トイレって言ってたけど」
かれこれ数十分経ってるからな……お腹すいたよ。
「満月わりぃ。遅くなった」
それから五分後、かな兄と音兄は少し疲れたような顔をして戻ってきた。
「あれ、マナさんがいる。大樹も」
「俺ついでかよっ。つか何だよ、その変装」
「そこは察しろよ大樹くん」
驚いたようにかな兄と音兄は目を見張った。
「二人とも何してたの。満月ちゃん一人にしちゃだめだろ」
「いやぁ……トイレから出たら女の子たちにつきまとわれて」
撒くのに大変だったんですよ、とかな兄は苦い顔。
だからちょっと疲れたような顔をしてたのか。
顔がいいのも大変だな。