それまで流暢に話していたのに、不自然に男の言葉が途中で途切れたことに不思議を感じ顔をあげると、



「あ」



いつもの大人びた微笑を浮かべてこちらに来る人。


なんでこの人がここにいるんだろう。



「もしかして、オレの連れにナンパしてる?」



男も女も関係なく魅了してしまう不思議な笑顔を浮かべ、その人は私を抱き寄せた。



「あっ、いえ!オレらは、ただ道聞いてただけで…なっ?」


「あ、あぁ!じゃあ、すいませんでした!」



そう言って男たちはさっさとどこかに行ってしまった。



「大丈夫だった?満月ちゃん」



顔をあげると優しいグレーの目が私を見ていた。



「マナさん……」



なんでここに?と言う疑問の言葉はもう一つの声によって遮られた。



「マナさん、いきなりどうした…って、満月?」


「大ちゃん?」



大ちゃんまで……



「偶然だな。何してるんだ?」


「それはこっちの台詞だよ」



本当にびっくりした。



「今日は大樹に買い物付き合ってもらってたんだ」


「マナさん、お店用に新しいグラス欲しかったんだって」


「へぇ……」



てっきりかな兄と音兄が呼んだのかと思った。



「で?満月、アレはなんなわけ?ものすっごくピリピリしてるんだけど」



大ちゃんが訝しげに私の後ろに目を向ける。