「あぁ、なるほど」



さすがにバレたらやばいもんね。


と言っても、かな兄は明るい茶色のウィッグを被っていて。


音兄は藍色に近い黒の長髪のウィッグを被って、眼鏡を黒ぶちにしただけだけど。


それだけでも結構雰囲気変わるものだね。



「うし、んじゃ、改めて行くか」


「うん」



かな兄と音兄の後に続いて私はショッピングモールに足を踏み入れた。











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「……おい。あいつら何でいるんだよ」


「私に聞かないでよ」


「あの子たちも暇人だよねぇ」



あはは、と暢気そうに笑う音兄。



……頭痛くなってきた。


昨日の涼の最後の違和感、というか機嫌の良さはこれか……





「ちょ、押すなよっ」


「なんや、満月、イケメン二人も連れとるやないか〜。両手に花っちゅうやつやなぁ」


「すぅくん、ちょっとうるさいよ。しかもちょっと違う!」


「…………」


「みんな、もう少し静かにしないと迷惑だから……」






後ろから何とも聞きなれた声が……


はぁ、とため息が出る。



「あれ、バレてないと思ってるのかな……」


「思ってるんじゃねぇの?」


「普通はバレると思うんだけど」