次は太陽か。
うーん。でも何となく反対されそう……ここは涼に電話してみよう。
『…もしもし』
「涼?満月です」
『満月ちゃん?どうしたの?』
「うん、明日倉庫行けなくなったから連絡しようと思って」
『突然だね。何か用事でも出来たの?』
「うん。用事と言うか、水着買いに行こうと思って」
『水着?』
海の準備をしていたときに水着がないのに気づいたことを言うと、涼は納得したようだった。
『事情は分かったけど……満月ちゃんは狙われる存在なんだよ?一人で買い物はちょっと賛成出来ないな』
電話の向こうで困ったような顔をした涼が想像できる。
そっか。私一応、姫だったんだっけ。完全に忘れてたや。
でも、
「それなら大丈夫。ちゃんと強い男の人と一緒に行くから」
『…………』
「……涼?」
電波が悪いのかな。何も聞こえない。
「りょー?」
『男の人?』
「? うん」
それがどうしたんだろう。
『それって満月ちゃんにとってどういう人?』
「え?……あー」
そっか。私にとっては信用できる人だけど、涼たちにとっては赤の他人だもんね。
「ほら、前に言ってた音って覚えてる?」
『音?……あぁ、あの電話の?』
「そう。その人とその人のお兄さんと一緒に行こうと思って」
『ふーん…』
しばらく涼は黙っていた。
まぁ、考えているんだろう。