私の暮らしているマンションに着き、バイクを降りてヘルメットを渡す。



「それにしても、えらいでかいとこやな」


「やっぱりそう思う?」



私も常日頃思ってはいるけど、ここ選んだのはかな兄たちだからね。


反対もできないままここに決まってしまった。



「部屋余っててもったいないんだよね」



そう言うと論点違うやろ、と朱雀に笑われた。


むかついたのでとりあえず朱雀の足を蹴ってあげた。ざまあみろだ。


ついでに何の説明もなしに私を双翼の姫に仕立てあげた恨みのぶんも蹴ってやる。



「ひどぉない!?」


「その台詞、今日私を無理矢理姫にしたときの私の台詞だから」


「…………」


「…………」


「……てへっ」


「殴っていい?」


「それだけはほんまやめて下さい」



とりあえず悪いとは思っているらしい。



「でもなぁ…ワシ、ええ考えやと思ったんやけど」



否定はしないけど、せめて一言私に言ってからにしてほしかった…と思うのは普通だと思う。



「……ま。終わったことだし。そんなに怒ってないよ」


「ほんま?」


「うん。本当だから」