「あー…えっと………」
下からの視線が重い。
そんなに興味津々な目で私を見ないでほしい。
「泉 満月、です。今回、この双翼の姫をすることになりました。いきなり私みたいなのが姫だなんて言われて、多分、戸惑っている人たちとかたくさんいると思います」
実際私もその一人です、とは言えなかった。
なんというか、雰囲気的に。
「だから、今、私を姫だと認められなくても、それが当たり前なことだと思います。そのことを責めるつもりは毛頭ありません。でも…その、少しずつでいいのでお互いのことをよく知ることができたらいいなぁとは思います。
ともかく、姫云々はさておき、ここにいてもいいよって認めてもらえるように頑張るので、至らないところもたくさんあると思いますがこれからよろしくお願いします」
ペコリと私が頭を下げるとしーんとなる下の階。
……私、何か変なこと言った?
正直な話気まずい。けどずっと頭を下げているわけにもいかないので恐る恐る頭を上げると同時に、
『うおぉーーっ!!』
と言う声が響き、耳が一瞬どうにかなったかと思った。
比喩とかじゃなくて、本当に。それくらい大きい声だった。
『全力で守りますっ』
『姫ーっ!!』
『かっこいいっスー!!』
どこにかっこいい要素があったんだ、と頭の中で冷静に突っ込みながらとりあえず受け入れられたことにほっとする。