倉庫の中に入ると、思っていたよりも人がいた。
「た、太陽さんっ!!」
「総長!こんちわっ」
「ちーっす!!」
太陽に気づいて挨拶をする人に太陽はあぁ、とだけ返してすたすた歩いて行く。
カラフルな頭だなぁ。
見回しての第一印象がこれ。
うん…仕方がないと思う。誰だって思うよこれは。
そんなことを考えているとばちっ、と一人と目があってしまう。
「えっ……」
その言葉でここにいる全員の目が私に向いたような気がする。
……考えてもみてほしい。
一斉に大勢の、しかも男の人(しかも不良)に見られる気持ちを。
動揺しない方がおかしいでしょ。
「総長……この人は……?」
全員を代表するかのように明るいオレンジの髪をした人がためらいながら太陽に聞いた。
「あとで説明する。行くぞ、満月」
そう言って太陽はまた歩いていく。
微妙な雰囲気の中、とりあえずぺこりと軽く頭を下げて私は小走りで太陽のあとについていった。こんなところに置いて行かれるのは遠慮したいし。
不良たちから自分に向けられる視線に思わず戸惑ってしまう。
まぁ……幼い時はウイッグなんて着けてないし、カラコンなんてもってのほかだったから好奇の目で見られたりしたけど。
うん。だから他の人と比べればこういうのも慣れてると言えば慣れているけど。
それでもやっぱり、こんなに見た目が所謂不良っていう人たちに見られるのは、どう反応すればいいのか分からないわけで。