すごい速さで近付いてきたと思ったら、首根っこをひっつかんだ先輩。
「ぐぇえぇえっ!先輩、首!首締まってますぅうぅうっっ!!」
「うるっせぇえぇえぇっ!俺はクラスの周りの目が痛いわぁあぁあぁっっ!!」
後ろ向きで引きずられて教室から遠ざかっていく。
本気で意識が遠のいてきてやばいんじゃね?っていうくらいにやっと離された襟首によって、新鮮な息を感じた。
「本当に今死にかけました。ちょっとおじいちゃん見えました」
「おぉー、よかったねぇ」
はぁ、重かったとかほざいて壁によりかかる先輩。無駄にそれなりに整った顔立ちをしているから、その姿も様になる。
「井上先輩のくせに…」
「あ?」