「私はカッコいいより…可愛い派かな?
例えば―…ほら、加藤くんとか!」
と、美帆には申し訳ないけどちょっぴり嘘をついた。
「あー、加藤くんね。
あの子確かに可愛いもんねー?」
同意する美帆。
よかった、何とかごまかせそうだ。
「でしょでしょ!
くるって後ろ向くし、声も可愛いし。
身長的にも『ちびっ子』って言葉がぴったりだよねー」
なんていうと、美帆は爆笑し始めた。
私、そんなへんなこと言ったかな。
「ちびっ子なのは、晴華だけだよ。」
「…つまり、美帆さんあなたは私がデカいとおっしゃりたいのかしら?」
「だって、加藤くんは弟系だけど私より背は高いもん。」
いひー、とか謎な声を出しながら笑う美帆があまりにも可愛いすぎて、次は私が爆笑。
「ふふふ…何その声。」
「うるさいなー」
2人で顔を見合わせて、笑いあったあと、また私たちはくだらない話をしながら帰った。