リズナータは目を閉じたまま、右手を前に突き出すと、朔良と静歌を爪ではじきとばした。
爪がまるで釣竿のように、自由自在に前に伸びて鞭のような動きをしている。
静歌はすぐに「まいった」と声をあげたが、朔良ははじかれたダメージで声をあげられずにいたため、リズナータの次の攻撃に狙われてしまった。
七杜が気が付いて声をあげるには間に合わないタイミングだ。
(こりゃ、いかん!朔良が・・・)
次の瞬間、ズドーーーン!!!
「あっ・・・あっ・・・う・・」
祐希がいちこの腕を撃ち抜いていた。
「いちこぉーーーー!くっ・・・うぐぐ・・・」
リズナータは膝をついていちこに駆け寄ってぐったりしている。
「静歌!痛いところすまないが、いちこの応急手当だけでもやってくれ!」
「わかった。・・・あ、ちょっとみんなあっち向いてて。」
静歌はいちこのシャツをナイフで切り取ると回復術で傷を治し始めた。
「そうか・・・・・祐希よくわかったな。」
「ええ、間に合ってよかった。
あれがリズナータの弱点です。」
「宿主を傷つけられたら立ち上がることもできない・・・か。」
「強い戦力にはなりますけど、相手に弱点が知れてしまったらどうにもなりませんね。
簡単に2人は死んでしまう。」
「対策が必要だな。まぁお姫様を守れない俺たちじゃないだろ?」
「俺たちは客を守るのが仕事です。最初から守らなければならない仲間は足手まといでしょう?」
「おまえは足手まといと思うんだな?」
「ええ、俺のは飛び道具ですから。
自分だけでも接近されたらアウトです。
なのに、見てるだけのやつを守るなんて・・・。」
「なぁ、晴海に爆弾作ってやっただろう?
いちこにも作ってやればいいじゃないか。」
「何いってるんですか。晴海にはもともと霊力があったから、自分で鞭をふるって戦っていました。
それを効率よくするために爆弾を作ってやったまでです。
けど、あの娘はもともと戦闘なんてできる娘じゃありません。」
「そうか・・・あの娘はダメか。
元気と根性は優れていると思うんだがな。
小柄だから体術は厳しいだろうなぁ。
とりあえず、護身術くらいは俺が直々に教えてやろうと思うが・・・。」
「まさか・・・社長?」
「ん?あ~~そういうのではない。
かわいらしいし、健気じゃないか。
なのに、あんなのを飼っていたら、遅かれ早かれ狙われるだろうなって気になるんだよ。
退治屋に置いておくほうが、人々の迷惑にならないと思わないか?」
「そりゃ、そうですけど・・・。」
「俺の女にしてもいい・・・。」
「えええええーーーーーーっ!!!!!!!」
七杜と祐希の話の間に突然、蒜名が割って入って驚くべき発言をしたのだった。
当然、そこにいた全員が叫ばずにはいられなかった。
ふだん、無口でクールな蒜名が・・・。
「おい、蒜名。どうしちまったんだ?」
「さっき、おまえがいちこを撃ったとき、俺もすごく痛かった。
いちこは涙を浮かべた。
すごく痛かったのだ。
昨日、いちこは俺に声をかけてくれた。」
・・・・・回想・・・・・
「蒜名さんも眠れないんですか?
ここ、とっても星がきれいに見えますね。」
「私はおまえの護衛をしている。」
「えっ、私はお姫様でもなんでもありませんよ。
退治屋さんは私じゃなくて、私の中にいる悪魔に興味があるんでしょ?
私はただの器ですよ。」
「七杜が必要と認めた人間は確かなヤツばかりだ。」
「そうなの?だったらいいなぁ。はぁ・・・」
「どうした?体の具合が悪いのか・・・?」
「疲れてしまって。信じられないことばかりなのと、あいつが外に出たらなんか・・・力が入らなくて。」
「立てないのか?・・・そうか、寝所まで連れていってやるからじっとしていろ。」
「すみません。蒜名さん、あの・・・部屋まで行ったら晴海さんに叱られますよ。」
「かまわぬ。運ぶだけなのは明白。軽い荷物と変わらないからな。」
「荷物ですよね・・・。」
「あっ・・・そういうつもりは。不安なのだな・・・晴海に怒られるまで傍に居てやろう。」
「ほんとに蒜名さんって優しいです・・・ね。」
爪がまるで釣竿のように、自由自在に前に伸びて鞭のような動きをしている。
静歌はすぐに「まいった」と声をあげたが、朔良ははじかれたダメージで声をあげられずにいたため、リズナータの次の攻撃に狙われてしまった。
七杜が気が付いて声をあげるには間に合わないタイミングだ。
(こりゃ、いかん!朔良が・・・)
次の瞬間、ズドーーーン!!!
「あっ・・・あっ・・・う・・」
祐希がいちこの腕を撃ち抜いていた。
「いちこぉーーーー!くっ・・・うぐぐ・・・」
リズナータは膝をついていちこに駆け寄ってぐったりしている。
「静歌!痛いところすまないが、いちこの応急手当だけでもやってくれ!」
「わかった。・・・あ、ちょっとみんなあっち向いてて。」
静歌はいちこのシャツをナイフで切り取ると回復術で傷を治し始めた。
「そうか・・・・・祐希よくわかったな。」
「ええ、間に合ってよかった。
あれがリズナータの弱点です。」
「宿主を傷つけられたら立ち上がることもできない・・・か。」
「強い戦力にはなりますけど、相手に弱点が知れてしまったらどうにもなりませんね。
簡単に2人は死んでしまう。」
「対策が必要だな。まぁお姫様を守れない俺たちじゃないだろ?」
「俺たちは客を守るのが仕事です。最初から守らなければならない仲間は足手まといでしょう?」
「おまえは足手まといと思うんだな?」
「ええ、俺のは飛び道具ですから。
自分だけでも接近されたらアウトです。
なのに、見てるだけのやつを守るなんて・・・。」
「なぁ、晴海に爆弾作ってやっただろう?
いちこにも作ってやればいいじゃないか。」
「何いってるんですか。晴海にはもともと霊力があったから、自分で鞭をふるって戦っていました。
それを効率よくするために爆弾を作ってやったまでです。
けど、あの娘はもともと戦闘なんてできる娘じゃありません。」
「そうか・・・あの娘はダメか。
元気と根性は優れていると思うんだがな。
小柄だから体術は厳しいだろうなぁ。
とりあえず、護身術くらいは俺が直々に教えてやろうと思うが・・・。」
「まさか・・・社長?」
「ん?あ~~そういうのではない。
かわいらしいし、健気じゃないか。
なのに、あんなのを飼っていたら、遅かれ早かれ狙われるだろうなって気になるんだよ。
退治屋に置いておくほうが、人々の迷惑にならないと思わないか?」
「そりゃ、そうですけど・・・。」
「俺の女にしてもいい・・・。」
「えええええーーーーーーっ!!!!!!!」
七杜と祐希の話の間に突然、蒜名が割って入って驚くべき発言をしたのだった。
当然、そこにいた全員が叫ばずにはいられなかった。
ふだん、無口でクールな蒜名が・・・。
「おい、蒜名。どうしちまったんだ?」
「さっき、おまえがいちこを撃ったとき、俺もすごく痛かった。
いちこは涙を浮かべた。
すごく痛かったのだ。
昨日、いちこは俺に声をかけてくれた。」
・・・・・回想・・・・・
「蒜名さんも眠れないんですか?
ここ、とっても星がきれいに見えますね。」
「私はおまえの護衛をしている。」
「えっ、私はお姫様でもなんでもありませんよ。
退治屋さんは私じゃなくて、私の中にいる悪魔に興味があるんでしょ?
私はただの器ですよ。」
「七杜が必要と認めた人間は確かなヤツばかりだ。」
「そうなの?だったらいいなぁ。はぁ・・・」
「どうした?体の具合が悪いのか・・・?」
「疲れてしまって。信じられないことばかりなのと、あいつが外に出たらなんか・・・力が入らなくて。」
「立てないのか?・・・そうか、寝所まで連れていってやるからじっとしていろ。」
「すみません。蒜名さん、あの・・・部屋まで行ったら晴海さんに叱られますよ。」
「かまわぬ。運ぶだけなのは明白。軽い荷物と変わらないからな。」
「荷物ですよね・・・。」
「あっ・・・そういうつもりは。不安なのだな・・・晴海に怒られるまで傍に居てやろう。」
「ほんとに蒜名さんって優しいです・・・ね。」