翌朝、晴海に言われたとおりに河原にやってきたいちこは退治屋のメンバーでまだ会ったことがない人物と挨拶をした。
「はじめまして。聖智(せいち)です。
主な仕事は除霊など、死んだ者の霊を扱う仕事です。
ところで、君には守護霊がいないのだね。
それが身のうちの悪魔のせいなのかな?興味深いよ。」
「あ、どうでしょう・・・あはは。
この世界に来ちゃったら、先祖のお墓参りもできないですしね。」
「そりゃ、そうだな。じゃ、あいつと同じだな。」
「あいつって・・・。」
聖智が退治屋のもうひとりの見知らぬ青年を呼びつけた。
「彼は祐希(ゆうき)日本から来たと言った男だ。
守護霊が君と同じようにいない。
でも、彼は身のうちに悪魔もいないんだ。」
「日本から飛ばされたんだってな。
俺は青い本を持っていた。
いや、青い本をまだ持っているんだ。
君のように、相棒がいれば違った人生を送っていたのかもしれないけど、いないからここで好きなメカいじりをやっているよ。」
「その銃とかのことですか?」
「ああ、もともと親父が猟師だったし、モデルガンの趣味があった。
その知識がここで役にたっているんだ。
晴海が持ってる爆弾なんかも俺が作ってやったものなんだぜ。」
「へぇ、すごいですね。
でも・・・異世界へ飛ばされてさびしくないですか?」
「君は?」
「そりゃ、さびしいですよ。
知り合いみんないなくなっちゃったんですから。」
「じゃ、俺もそうだと思う。
ただ、俺は少しだけホッとしてるところもあるけどな。」
「えっ!?」
「込み入った話はあとあと~~~、時間がもったいないわ。
私は経理部長兼毒使いの朔良(さくら)。
ふだん戦闘にはあまり出ないんだけど、興味深いのであなたの悪魔さんとは戦わせてもらいますよ。」
知らないメンバーと顔合わせしたところで、七杜はいちこにリズナータを呼ぶように言った。
いちこはすぐに泣けないので、仕方なく胸を手でおさえて小さな声で唱えた。
「リズナータ、愛してるわ。」
ボンッ!!!
「おっしゃぁーー!おお、そろってるな。
俺様の腕試し、やってやろうじゃないか。」
「では、こちらから俺の選出順で戦闘訓練を始める。
相手が『まいった』と言ったら終了だ。
リズナータは勝ちと決まったらそのまま下がってほしい。」
「はぁ?ああ・・・おまえらを食うなってことか。」
「ああ、そうだ。おまえに食われてしまっては、弱い民たちが怪物や化け物が出たときにたちまち困ってしまうからな。」
「ふん!俺がどうするかは、いちこ次第だ。
いちこに申し入れておけ。」
「へぇ、そうなのか・・・わかった。
いちこ、そいつが食わないように頼めるか?」
「はい、わかりました。
よく言ってきかせますので。」
「ふふふ、そうか。じゃ、第一試合始めるぞ、高千、おまえからだ。」
「よぉーーし!俺の速さに追いついてみやがれってんだ!」
高千は右へ左へとすばやい動きでリズナータの爪をかわしていた。
「そろそろその動き・・・見切った!」
「えっ!?おわっ・・・」
ドン!!
高千はフェイクで突き出された爪を避けたはいいが、もう片方のリズナータの拳でふっとんでしまった。
「くっ・・・まいった。」
「では次だ、蒜名。」
「ああ、いくぞ。」
蒜名の剣とリズナータの爪が火花を散らしていた。
「私の剣先をすべて爪で受け止めるとは・・・やるものだ。」
「おまえはどうやら、ふりまわすのはうまいが、腕力はさほどないようだな。」
「何?」
リズナータは剣を爪で受け止めると、すぐに腕を振り払いながら蒜名ごと蒜名の剣をはじきとばした。
「あぅ・・・まいった。なんて力だ。」
「次、聖智。頼むぞ。」
「物理攻撃とは味が違いますよ。
僕は霊力を使いますから。
はぁぁーーーー!」
聖智が右手をあげて何かをつぶやくと、真っ白なまるで冷凍光線のようなものがリズナータへと向かっていった。
カチーーーーン・・・・。
リズナータは氷漬けにされてしまった。
しかし、次の瞬間、固められた氷はズタズタにひびが入り、粉々に飛び散った。
「あいにくだったな、そんな力は俺には効かない。」
「では、これだったら?」
聖智はまた右手をあげて、今度は大きな炎の渦を投げかけてきた。
そのあとに大きな鎖もリズナータの手足へと飛ばした。
「その程度じゃ、倒せないってわかってんだろうが・・・。」
いとも簡単にリズナータは炎を爪の先から吸い上げ、聖智に炎を浴びせた。
鎖の方も、簡単に払いのけてしまっていた。
「うっ・・・水バリアを。」
シュゥ~~~なんとか聖智はやけどをせずには済んだものの、体力を消耗していたので、その場で終了となった。
「じゃ。朔良・・・頼む。」
「七杜、私は所詮毒使い。毒が効かなければ戦えないわ。だから静歌と組ませてくれない?」
「俺は何人まとめてでもかまわないぜ。」
「じゃ、朔良と静歌で・・・はじめ!」
朔良はすかさず、リズナータの目を狙って黒い液体を放つ。
「うっ、なんだこりゃ?視界がボケてきた。」
「どうやら毒の効果はあるみたいですね。」
「そうですね。聖なる力で魔の力は使えないようにしてあげましょう。」
「うわっ・・・くっ。気持ち悪いぜ・・・なんだこの気分の悪さ。
くそっ、神聖魔法かよ。」
「どうです、その様子じゃ動けないようですね。」
「ふふふ・・・動けないだと。
俺だって魔力全快してりゃ、おまえなんて即死に追い込めるんだがな。
まだ回復中の身なのでな・・・ちょっと苦戦はしちまったが、こうすりゃ、おまえなんか倒せるんだ。」
「はじめまして。聖智(せいち)です。
主な仕事は除霊など、死んだ者の霊を扱う仕事です。
ところで、君には守護霊がいないのだね。
それが身のうちの悪魔のせいなのかな?興味深いよ。」
「あ、どうでしょう・・・あはは。
この世界に来ちゃったら、先祖のお墓参りもできないですしね。」
「そりゃ、そうだな。じゃ、あいつと同じだな。」
「あいつって・・・。」
聖智が退治屋のもうひとりの見知らぬ青年を呼びつけた。
「彼は祐希(ゆうき)日本から来たと言った男だ。
守護霊が君と同じようにいない。
でも、彼は身のうちに悪魔もいないんだ。」
「日本から飛ばされたんだってな。
俺は青い本を持っていた。
いや、青い本をまだ持っているんだ。
君のように、相棒がいれば違った人生を送っていたのかもしれないけど、いないからここで好きなメカいじりをやっているよ。」
「その銃とかのことですか?」
「ああ、もともと親父が猟師だったし、モデルガンの趣味があった。
その知識がここで役にたっているんだ。
晴海が持ってる爆弾なんかも俺が作ってやったものなんだぜ。」
「へぇ、すごいですね。
でも・・・異世界へ飛ばされてさびしくないですか?」
「君は?」
「そりゃ、さびしいですよ。
知り合いみんないなくなっちゃったんですから。」
「じゃ、俺もそうだと思う。
ただ、俺は少しだけホッとしてるところもあるけどな。」
「えっ!?」
「込み入った話はあとあと~~~、時間がもったいないわ。
私は経理部長兼毒使いの朔良(さくら)。
ふだん戦闘にはあまり出ないんだけど、興味深いのであなたの悪魔さんとは戦わせてもらいますよ。」
知らないメンバーと顔合わせしたところで、七杜はいちこにリズナータを呼ぶように言った。
いちこはすぐに泣けないので、仕方なく胸を手でおさえて小さな声で唱えた。
「リズナータ、愛してるわ。」
ボンッ!!!
「おっしゃぁーー!おお、そろってるな。
俺様の腕試し、やってやろうじゃないか。」
「では、こちらから俺の選出順で戦闘訓練を始める。
相手が『まいった』と言ったら終了だ。
リズナータは勝ちと決まったらそのまま下がってほしい。」
「はぁ?ああ・・・おまえらを食うなってことか。」
「ああ、そうだ。おまえに食われてしまっては、弱い民たちが怪物や化け物が出たときにたちまち困ってしまうからな。」
「ふん!俺がどうするかは、いちこ次第だ。
いちこに申し入れておけ。」
「へぇ、そうなのか・・・わかった。
いちこ、そいつが食わないように頼めるか?」
「はい、わかりました。
よく言ってきかせますので。」
「ふふふ、そうか。じゃ、第一試合始めるぞ、高千、おまえからだ。」
「よぉーーし!俺の速さに追いついてみやがれってんだ!」
高千は右へ左へとすばやい動きでリズナータの爪をかわしていた。
「そろそろその動き・・・見切った!」
「えっ!?おわっ・・・」
ドン!!
高千はフェイクで突き出された爪を避けたはいいが、もう片方のリズナータの拳でふっとんでしまった。
「くっ・・・まいった。」
「では次だ、蒜名。」
「ああ、いくぞ。」
蒜名の剣とリズナータの爪が火花を散らしていた。
「私の剣先をすべて爪で受け止めるとは・・・やるものだ。」
「おまえはどうやら、ふりまわすのはうまいが、腕力はさほどないようだな。」
「何?」
リズナータは剣を爪で受け止めると、すぐに腕を振り払いながら蒜名ごと蒜名の剣をはじきとばした。
「あぅ・・・まいった。なんて力だ。」
「次、聖智。頼むぞ。」
「物理攻撃とは味が違いますよ。
僕は霊力を使いますから。
はぁぁーーーー!」
聖智が右手をあげて何かをつぶやくと、真っ白なまるで冷凍光線のようなものがリズナータへと向かっていった。
カチーーーーン・・・・。
リズナータは氷漬けにされてしまった。
しかし、次の瞬間、固められた氷はズタズタにひびが入り、粉々に飛び散った。
「あいにくだったな、そんな力は俺には効かない。」
「では、これだったら?」
聖智はまた右手をあげて、今度は大きな炎の渦を投げかけてきた。
そのあとに大きな鎖もリズナータの手足へと飛ばした。
「その程度じゃ、倒せないってわかってんだろうが・・・。」
いとも簡単にリズナータは炎を爪の先から吸い上げ、聖智に炎を浴びせた。
鎖の方も、簡単に払いのけてしまっていた。
「うっ・・・水バリアを。」
シュゥ~~~なんとか聖智はやけどをせずには済んだものの、体力を消耗していたので、その場で終了となった。
「じゃ。朔良・・・頼む。」
「七杜、私は所詮毒使い。毒が効かなければ戦えないわ。だから静歌と組ませてくれない?」
「俺は何人まとめてでもかまわないぜ。」
「じゃ、朔良と静歌で・・・はじめ!」
朔良はすかさず、リズナータの目を狙って黒い液体を放つ。
「うっ、なんだこりゃ?視界がボケてきた。」
「どうやら毒の効果はあるみたいですね。」
「そうですね。聖なる力で魔の力は使えないようにしてあげましょう。」
「うわっ・・・くっ。気持ち悪いぜ・・・なんだこの気分の悪さ。
くそっ、神聖魔法かよ。」
「どうです、その様子じゃ動けないようですね。」
「ふふふ・・・動けないだと。
俺だって魔力全快してりゃ、おまえなんて即死に追い込めるんだがな。
まだ回復中の身なのでな・・・ちょっと苦戦はしちまったが、こうすりゃ、おまえなんか倒せるんだ。」