下駄箱は混んでいて上履きになかなか履き替えられなかった。

ドンッ

誰かが奈々美にぶつかった。

「ごめんね。」

見たことない人だ。
学ランがすごく似合っている。
同じC組の人だったりして。

「何ボーッとしてんの?早く履き替えて教室行くよ!」

私ったら何してるんだろう。
いろんな人に押されながらなんとか上履きに履き替えて教室へ向かった。



私たちの教室は東棟の2階のはじっこ。
教室にはもう半分ぐらいの人がいて、一人で本を読んでる人もいたり、さっそく友達を作ってる人もいた。

「まずは席につこうか。」

そう言って座席表を見に行った。
私の席を見つけたからそっちに向かう。
なのになぜか知らない人が私の机に座って、楽しそうに話している。

「すみません。どいてくれませんか?」

思い切って話しかけてみた。

「なんで?」