「……は…駅、次は青葉駅ー」

電車のアナウンスで目が覚める。
夢?
危うく乗り過ごしそうになった。
急いで電車から降りて南口の改札へ向かう。

改札を通って、奈々美に電話をかける。
「__奈々美?今着いたよ。」
「あ、そう?私もあと3分ぐらい。」
「おっけー、じゃあまた後でね。」

電話を切ってかばんにしまう。


「ねぇ、知ってる?桐野岬で日が沈む瞬間に自分の一番大切な物を海に向かって投げると願いが叶うんだって。」
「え、知らない!ウチもお願いごとしちゃおっかなー。」

不意に誰かの会話が耳に入ってきた。
それって___

「美沙!」

あ、奈々美だ。

「遅れてごめんね。」
「ううん、全然待ってないよ。」
「じゃあ、行こっか!」