家についてベッドに顔をうずめる。

「もうっ…やだ…」

それまで抱いたことのない感情が

私のなかにこみ上げて来た。

私…本当にバカで…。

きっとあのあと拓哉は追いかけて

来てくれるって心のどこかで

信じてた。

そんなわけないのに……。

なんでだろう。

16年も一緒にいるのに…。

家、隣なのに…。

昔は一緒に寝て、怖いテレビが

やってるときはずっと拓哉が

隣で大丈夫って言ってくれてて…。

拓哉がいると安心した…。

今はその反対…。

私、拓哉の気持ちが全然わかんない。