ある昼休み。飛雄に屋上に呼び出された。


藺「で?なんのよう?」

飛「俺、引っ越すかもしんね。」

藺「引っ越すって…どこに?」

飛「福岡。」

藺「福岡って……遠すぎんだろ!なんかの間違いじゃねーの!?」

飛「親父の転勤。」

藺「……珠琴ちゃんどーすんだよ」

飛「その話。もう別れようかなって思うんだ」

藺「は!?お前何言ってんのかわかってんの?」

飛「自分のセリフ理解してねーほどバカじゃねーよ。お前じゃねーんだからな」

藺「一言余計だ。 でもなんでだよ」

飛「会えないのにお互いの恋愛縛りたくねえ。もっと幸せにしてくれる相手がいるはずだ。」

藺「でももっとなんかあるだろ!お前もっと賢く考えられるだろ。」

飛「俺なりに考えたよ。俺のこと好きなまま別れるのはあいつにとっても苦だし、苦しむあいつをみたくねえから、俺は今日から冷たく接する。なんか言われても言うなよ。」

藺「お前の頼みだから聞くしかねーけど…俺は背中は押さねーぞ。あと恵里加には言うのか?」

飛「ありがとよ。俺が決めたんだからお前に背中は押させねえ。恵里加にはお前から言っといてくれ」

藺「おうよ。」


ああ、こいつこんなバカだっけ…