それから、私の物が壊されるたびに八木さんという方が私のもとにやってくるようになった
そして、それだけを置いて彼は立ち去る
そんな日々が続いていた
そんなある日のこと
―ザバーンッ
私は、トイレに入った時のことだった
完全に油断していた私の上から大量の水が降ってきたのだ
制服はびしょ濡れだった
これじゃ、授業は受けられない
そう思って保健室に向かおうとしていた私のもとに、また彼がやってきた
彼はいつも私のことを見ていたんじゃないかと思うほどタイミング良く現れる
「こちら、よろしければお使いください」
そう言って、差し出された紙袋の中身はやはり制服だった
本当に彼は何者なのだろうか?