しょうがない、か…
誰もあたしの本当の姿を見ようとはしていないのだから
適当に引越しの用意があるとでも言って帰ろう
そう思って、話をきりだそうとした、その時
「ねぇねぇ、君が転校生の希望ちゃん?」
茶髪のチャラそうな男子が話しかけてきた
誰?この人
同じクラスのハズがない
あたしは記憶力はいい方だ
もう、クラスの人はだいたい認識してる
それに、こんな目立ちそうなやつならすぐに目に留まるはずだ
「あの、どちら様ですか?違うクラスの方ですか?」
「あ、ごめんごめん!俺、隣のクラスの佐久間遊馬!よろしくな」
佐久間遊馬ね
覚えた、きっと忘れない
でも、この感じもしかして告白?
今までイヤというほど経験してきた告白
男子に呼び出されて告られる
知らない人からばかり
あたしの何を知っているって言うんだ
あたしの顔しか見てないくせに
コイツだって所詮同じでしょ?
いつだって見るのはあたしの顔なんだ
中身を見てはくれない
あたしの中身を好きになってくれる人なんていないんだよ