扉の前には高野さんがいた




マズイ…今の話聞かれた?







「牧原さん…わたしをずっと守ってくれてたのはあなただったのね…」







やっぱり、聞いてたか…







でも、あたしは守ってなんかいない








むしろ、高野さんを傷つけてた側の人間








彼女を助けられていなかった








「あたしは、あなたのことを助けてないわ」







「でも、八木さんに頼んであたしにものを運んでくれましたよね?」







「そうね、確かにしたわ」







でも、それはちがったの