しばらくすると、美結のお母さんが寄ってきた。あたしは、迷わずこう言った。
「ごめんなさいっ。あの時あたしが遊びに誘わなかったらっ。」
「…。」
美結のお母さんは寂しそうな目をしてこういった。
「あなたのせいじゃないわ。だから、あなたまで、そんな顔しないで。美結が悲しくなるわ。」
意外な答えが帰ってきた。
「でっでも…。」
「…。もしあなたが、悪いって思ってるなら、そんな顔しないで。それがあなたの償い。しかも、まだ死んだわけじゃない。まだ生きているの。僅かな望みでもその光にかけましょ?」
「はい…。」
そのあとあたしは、一人でバスに揺られて帰った。