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「もー、どしたの綾愛!いきなり早歩きして…」

「あ、はは…、ごめん」

「照れた?神山の前通るとき」



ゴンっと言う音と同時に来る、額への痛み。どうやら、曲がり角のところにぶつかったらしく。


…前、見てなかった。
て言うか…!



「り、里依紗!?何言って…」

「いやだって、なんか見とれてたし」

「見とれてないわよ!」



ズキズキと痛む額。…あれ、これ結構痛いぞ。



「ね、ねえ…、おでこ、どうなってる?」

「わ!赤いよすごく!保健室行ったら?」

「…ほんとだ赤い。おでこ、だけじゃなくてほっぺも…」

「わーわーわー!里依紗バカ!み、美華先生に言っといて!保健室行くわ!」



里依紗を軽く叩いてから、美華に持っていたものを渡し、保健室への道を急ぐ。



…照れてなんか、ないのに。
見とれてたかは…、分からない、けれど。


いつもと違う笑顔を見せた、神山 大地が悪いのよ。



…気が狂う。
やっぱり、嫌いだ。



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