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「…さっきさ、なんで委員長が俺と食べるんだーって言ったじゃん?」

「え、うん…。言ったわ」



神山 大地はニヤリと笑って、わたしの耳元に口を近づけた。


ち、近い…息かかる!

けど、なぜか突き放そうとは思わなくて。



「言っただろ。
――俺が男教えてやるって」

「っ…!」



ゾワリ、身震いをする。
耳元で、あんな低い声で、あんなことを言う…、神山 大地は、女に手慣れているように見える。



「まあ、まずは委員長の男嫌いを直すのが目的だけど」

「え、あぁ…」



でも、この一日だけでも、少しマシになった気がする。


まあそれは、神山 大地に対してだけ。


…あんなに敵視してたのに、今はもう普通に接してるとか…、自分でもびっくり。



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