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じわじわと近寄る神山 大地。
息がかかるくらい、近くなって…。



「っ、や…!」



ドンっと目の前の肩を押して、引き離す。


ダメだ。…怖い。



「っあ、ごめ…」

「やっぱり」

「……え?」



涙で目の前が少し潤む。
前にいる神山 大地の表情は…、よく見えないけれど。なんだか寂しそうに見えて。



「やっぱり、って…なに?」



神山 大地は、優しくふっと笑うと、わたしに手を伸ばしてきて…。


逃げるつもりはない、けれど。
ピクリと少し引いてしまう。


神山 大地はふうと息を吐くと、伸ばした手をさげた。



「委員長…、男、怖い?」




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