浮気、浮気って…
すっかり、俺が“浮気した”ことになってるのが悔しいけど…
「…龍ちゃん?」
一方的に誤解した挙げ句、
俺の話は一切聞かずに、勝手に自己完結してるところが納得いかないけど…
「まだ怒ってる?」
そんなうるうるした瞳で。
すがるように許しを請われたら…
「龍ちゃ…えっ?」
何もかもすっ飛ばして、“望み通り”許してやるしかないじゃん。
「…もう、いいよ。」
腕を掴んで引き寄せて。その華奢な身体をぎゅっと抱きしめた。
わずかに躊躇いを見せたものの、すぐに抱きしめ返してくるナオ。
…うん。これでいい。
「ナオがそう思うなら、それでいいや。」
「え?」
「ケンカの原因と対策。
そういうことにして、これで“仲直り”にしよう?」
それで丸く収まるなら。
元通り、2人で一緒にいられるようになるなら。
もう、なんでもいい。
でも…
「ひとつだけ、言っておきたいことがあるんだ」
「え…?」
「――愛してる。」