「…はぁっ?」
「帰ってきて」って…そもそも、それはこっちのセリフだし。
“満足”って?
………まさか!?
「…龍ちゃんが浮気しちゃったのは、私が至らないせいなんだよね。」
「だから、浮気じゃな…」
「冷静に考えたら、仕方ないよね。だって…」
俺のことはおかまいなしに、瞳に涙をにじまて、すっかり“悲劇のヒロイン”モードのナオ。
こうなったら、もう止められない。
「木下先生は、オトナだし美人だし、胸も大きいし…」
…いやいや。
木下は全然“オトナ”じゃないから。
“美人”はメイクで作られたものだし、胸は見るからに“作り物”だろ。
「経験も多そうだし、男の人を満足させるテクニックもいっぱい知って「おいっ!」
“満足”って、やっぱりそれかよ。
なんか、もう…
ナオの思考回路を見てみたいよ、ホント。
「だから…ごめんなさい。龍ちゃんに浮気させちゃったのは私なのに、怒ったりして…」
「ナオ…」
「許してくれる…?」