「……いた。」
木下を捲いて。
ナオを探してたどり着いたのは…
「やっぱり、ここか」
実習中、何度も訪れた旧校舎。
俺が在学していた頃は、部活か何かで使われている部屋もあったのに。
今はもう、全く人の気配はしない。
そういや、サチ姉が来年にはなくなるとか言ってたような…
ナオはよくここでサボってるみたいだけど、今後は控えさせよう。
ここに、この状況で1人っていうのは、さすがに危ない。
そっと扉を閉めて、
俺は、ナオのほうへと近づいた。
「ナオ…?」
窓際でひらひらとはためくカーテン。
そのすぐ傍に位置する机。
椅子に座る華奢な身体。
机に伏せて、ナオはぐっすりと眠っていた。