“彼女”って…

うふっ、て感じに、首を傾けて微笑んでるけど…

全然可愛くないから。
つーか、年を考えろよ。

狙ってやっているからこそ痛々しい。

はぁーっ。


「あのさ、木下。」


正直、今はコイツを相手にしている場合じゃない。


早くナオを見つけないといけないし、

万が一、こんな場面をまたナオに見られたら大変だ。


「俺…」


こういうタイプの女には、はっきりきっぱり言ったほうがいい。

できればちゃんと、理由を付け加えるべし。

曖昧に濁すと、都合良く解釈されてしまうから。


でも、何て言う?


あまりにも嘘で固めると後で面倒だし…

ここはやっぱり、正直に言うしかないか。


「あのさ…「あ、」


意を決して口を開いたのに…あっさり遮られてしまった。


「すぐに決めにくかったら、まずはメアド交換からでもいいよ?」

「は?」

「何回か一緒に遊べば、きっとマミのこと好きになると思うから」


どこからその自信が沸いて来るんだか。

どう頑張ったって、俺が木下を好きになることはないから。



「悪いけど、俺…





“結婚”してるんだ」