「えっ?」


何の事だかわからず、魁さんの次の言葉を待っていれば・・・


「知らないのか?かなり噂になってるぞ」


寝耳に水の噂話を聞かされた。


「白石って、あの白髪頭の白石ですか?」


私が知っている白石なんてあの男しかいない。

女の私を羽交い絞めにして、ぶん殴ろうとしてきた男の風上にも置けない奴。

思い出しただけでも腹が立ってくる。


「ぶっ!し、白髪頭って・・・クックックッ」


そんな私の言葉に、なぜかウケて笑い出した魁さん。

気が付けば、いつの間にか大通りに出ていた私達。

通り過ぎる人達が、未だに笑っている魁さんを驚きの表情で見ていく。

中には振り返ってまで見る人がいて・・・

やっぱり綺麗な顔をした人が笑っていると気になるものなのかな?


「お前、それアイツの前で言ったらショック受けるぞ?あれで銀髪のつもりだからな」