「あの…名前教えてもらえないと呼び方が…」




…しきりに話しかけてくる


女幽霊。





っていうか、はる、っていったか?





「黙れ。あと、着いてくんな」



そろそろ、俺の我慢も限界のところ。




「そ…そんな言い方ないじゃないですか…」




初めてちゃんと顔を見てみると



とてもかわいらしい顔をしていた。






目には、傷ついた色が浮かぶ。



けれど、すぐにそれは消えて




必死な表情で頭を下げたはる。





「お願いしますっ!私の過去を探してください!!」




「なんで俺が…」


こう頼まれたのは初めてじゃなかった。





未練があるものは、この世に残る。