「雨のせいでドロドロのお墓になっちゃったね。」

「うん。」

口数の少ない一輝君はほとんど喋ることなく
出来上がったお墓に子猫を入れた。

お墓に入れるとき、一瞬子猫を抱いた手が躊躇した。

その後、一輝君はカバンにつけていたお守りを外した。

「紙とペンってもってる?」

「うん、あるよ! ちょっと待って。」


一体何をするのだろうと訝しみつつ私は
一輝君に紙とペンを渡した。

「ありがとう。」
そう言って、一輝君は紙に何かを走り書きして
お守り袋を開き、その中に紙を入れて

土をかぶせた。