一輝くんの青ざめた唇を見る限り、帰宅途中で見つけてからずっといたに違いない。

一通り、私が子猫を吹拭き終わると。一輝君は三匹掬いあげた。

「埋めに行こうと思うんだけど、人見さんどうする?」

「私も行く。」

そう言うと、わかった。と言って歩き出した。

一輝君が見つけた時から子猫は死んでいたんだろうか。
どうして、何時間もただひたすら子猫を見つめていたんだろう。

そんな疑問を胸に抱えつつ、一輝君の背中を追う。

公園まで歩き、木の前で一輝君は立ち止まった。

「ここでいいか。」

そう呟いて、キョロキョロとあたりを見回し、
ほどなくお目当ての木の棒を見つけるとそれで穴を掘り始めた。

私も手伝おうと思い、木の棒を探して一輝君と一緒に掘り始めた。

ザーッと降る雨の中、邪魔な傘をたたみびしょ濡れになって
私たちは子猫の墓を作った。

雨のせいで土が濡れ、掘る度土に水が入って
ドロドロになっていく。