泣きそう…。
机をみていた視界が徐々にぼやけてくる。

誰かに泣き顔を見られるのは嫌だ…。

我慢出来なくて一粒ぽろりと机に落ちた。
もう一粒も耐えきれずに、落ちる。

「ちょっ!! え?! まじかよ!!」
耳を寄せていた男の子が焦る。

周りからはまだ多分このアングルじゃ私の泣き顔は見られてない。

身を引こうとする男の子の袖を思わずぎゅっと掴んで言う。

「ま、待って…。」

皆に見られたくない…。
焦げ茶に染めた男の子がおどおどと困惑した表情に変わる。

もう一人の男の子がポケットからハンカチを出して渡してくれた。

「お、おい! 人見さんをあんまいじめんなよな!!」

「いや…俺何もしてねえよ! つかお前が悪いんだろ!! 聞きにいこうとかいうから! どうすんだよこれ!」

こそこそと話してるのがわかる。
もらったハンカチで目元を抑える。