「みんな、おはようございます。今日2日目は、このクラスで、いろいろな事を決める日です。よろしくね!」

 かおり先生の言葉に

 「はーーーーい!」

 「まず、クラスの代表を決めたいと思います」

 そこで、生徒の1人

 「先生、クラスの代表ってなんですか?」

 「代表ってね、委員長とか、クラス長とか、組長とか」

 「先生、組長ってーーーー古いです」

 「そうね。先生が高校生の時も、組長ってなかったからーーー。富士先生の時代は、あったんじゃ、ないですか?」

 いきなり、振られた、富士先生

 「えっ!あっ!あったかもしれませんーーーー」

 急な対応に、慌てる性格かも知れませんね、富士先生。

 
 「立候補する人、いませんか?」

 かおり先生の言葉に

 「ねーみきぽ立候補したらーーー」

 後ろから、りかの声。

 「いえ、いえ、いえーーー。とんでもないーーー」

 みきぽは、大きく首を振りました。

 「みきぽがクラス代表になったら、話題になるのにーーー」

 「話題って?」

 「子供がクラス代表だ!!って!!」

 「子供扱いしないでよーーー」

 今のところ、子供扱いの、みきぽでした。



 結局、クラス代表は、立候補する者がいなかったため、選挙で決めることに、なりました。
  

 「誰に入れるの?」

 聞いた人、りか。

 「誰がいるのか、わかんないーーー??」

 答えた人、みきぽ。


 今、クラス全員が、動き回っています。


 2日目で、クラス代表を決める事を決定した、かおり先生に聞いてみました。

 「高校は、いろいろな地域の中学校から来るので、みんな知らない人ばかりです。だから、親しくなったり、友達になったりーーとか、すぐできないんですね。それで、クラス代表を決めましょ!とか言うと、無理やりでも、クラスのみんなの事を知ろうとして、結果として、そこからクラス全員のまとまりや、信頼とかが、出来るんですね!」

 なるほどーーですね。


 一方、誰に投票するのか、迷っている人。

 みきぽ&りか

 「投票まで、もうあんまり時間ないね!みきぽ決まった?」

 「まだ決まんないーーー」

 「どうするの?」

 「うーーーー。決めた!」

 「誰に決めたの?」

 「りか!!」

 「本当?」

 「だって、わかんないもんーーー」

 「じゃ、りかは、みきぽに入れるねーー」

 安易な2人でした。


 選挙の結果、クラス代表は、眼鏡をかけて、一見頭がよさそうな男子(11票)と、顔がアイドルっぽい女子(9票)が決まりました。


 「やっぱ男子って、可愛い子に入れるんだね!」

 と、りか。

 「そうねーー」

 と、みきぽ。

 よくよく、開票を見ていると、みきぽとりかには共に

 2票

 と、なっていました。

 「あたしたち以外で、誰が入れたんだろうね?」

 と、みきぽ。

 「そうね?何か不思議??」

 と、りか。

 周りを見ても、2人に入れるような人は???ですが。


 その間、クラス代表の2人のあいさつなどがありましたが、まったく聞く様子のない、みきぽとりか。

 
 「席を決めたいと思いますが」

 すでに、代表の2人が壇上で、司会をしていました。横で、担任のかおり先生と、副担任の富士先生が見ていました。

 「賛成!!!」

 クラスの男子生徒。

 「くじ引きでいいですか?」

 女子代表が、みんなに聞きました。


 「はーーーーーい!!」



 早速くじ引きです。

 「あたし、くじ運悪いんだーー」

 「あたしも。2人共似ているね!!」

 当然の事ながら、みきぽとりかの、会話。


 「いい席が、当たりますように!!」

 くじの入った箱に手を入れて、まずみきぽ。

 「同じく、お願いいたします!!!」

 続いて、りか。

 
 次々と、箱からくじを、クラスのみんなが引いて行きました。


 「みんなひきましたか!」

 代表男子。

 「じゃあ、開いて下さい!!」

 代表女子。

 クラス全員が、一斉にくじを開きました。


 「わぁ!!!」


 いろいろなところから歓喜の声。


 「あたし、8番だ!!」

 みきぽ。

 「あたしは、9番だ!!」

 りか。


 座席は

   
    男子 1 2 3 4 5 6 7

    女子 1 2 3 4 5 6 7
 
    男子 8 9 10 11 12 13 14


 教壇

    女子 8 9 10 11 12 13 14

    男子 15 16 17 18 19 20

    女子 15 16 17 18 19 20


 「今とおんなじ、みきぽの後だね!!」

 りかは、嬉しそう。

 「そうだね。でも、1番前かーーー」

 少し不満な、みきぽ。

 
 とにかく、席が決まりました。


 みんな、新しい席に移動しました。


 「みなさん、今の席で、勉強をスタートしますからね」

 担任のかおり先生。

 「次に、時間割を渡します。教科の下は、その教科の先生の名前です。先生は、国語です。よろしくね!」

 続いて、富士先生。

 「先生は、英語です。」


 英語の事を聞いて、みきぽはーーー、少し顔がーーーー。


 「富士先生が、英語かーーーー」
 
 それを見ていた、りかが

 「みきぽ、何、つぶやいているの?」

 「別にーー」
 
 天使の時代から、みきぽは、英語が苦手でした。

 
 ここでチャイムが鳴りました。

 休憩です。


 みきぽが、ふと後を見ると、りかが鏡で自分を見ていました。

 「よく鏡で見ているね!」
 「だって、女の子だもんーーー」
 「今日はどう?」
 「普通ね」
 「普通って?」
 「普通に、可愛いわ!」
 「よく言うねーー!!!」

 みきぽも、りかも、大笑いでした。


 ここで、チャイムが鳴りました。

 「この時間は、班を作って、班ごとに、掃除や、いろいろなことをしてもらいます。男子3名女子3名で1つの班です。が、全員で40名なので、6人の班が5つ、5人の班が2つになります。」

 かおり先生の説明でした。

 結局、みきぽ達の班は

 男子 8 9 10

 女子 8 9 10

 となりました。

 6人が集まり、自己紹介。

 なぜか、レディーファーストからとなり、8 みきぽ、9 りか、の自己紹介の後、10 の女子。眼鏡をかけて、やや背の高い

 「前田美咲と言います。よろしくお願いします」

 そして、男子。やや背が低く、眼鏡をかけている 8

 「石井俊輔と言います」

 次は、身長が190位ある 9

 「高田謙と言います」

 次は、体重が100キロ以上ある 10

 「細身保と言います」

 この6人が、みきぽと同じ班になりました。




 「平均以下だけど、ま、いいかーーー」

 ぼそぼそと、りか。

 「なにが?」

 聞く、みきぽ。

 「決まってるじゃないーーー」
 
 りかは、男子3名を指した。


 「ところで、班長を決めないといけないけどーーー」

 美咲が言った。

 「立候補する人!!」

 続いて、りか。

 しかし、誰もーーー、いません。

 「じゃあ、私します」

 美咲が言って、すんなり決まりました。

 「かっこいい!!」

 高田と細身が思わず。

 最近は、女子のほうがしっかりしているのか?

 とにかく、班長も決まり、少しずつ、進んで行きました。


 他の班も、似たり、寄ったりでした。



 「今日はこれで終わりです。この後、体育館で教科書の販売があります。全学年いっしょにするので、間違えて、2年生や3年生の本を買わないように!!」

 かおり先生の言葉に、みんな聞いていました。

 「先生!」
 「はい」
 「高校生にもなって、教科書買い間違えるなんてーーーいるんですか?」
 「いるんですよ。昨年も3人が買い間違えていましたからね」
 
 教室で、数人の笑い声がありました。



 場所は、体育館。
 本年度に使用する、教科書等が販売されていました。

 みきぽと、りかのふたり、仲良く、いろいろと見ていました。
 

 「みきぽ、ちょっと見て!!」

 りかが指した先には、手をつないだカップルが、仲良く教科書を見ていました。

 「こんなところでーーーーー」
 「りか、別にいいじゃないーーー」
 「別にーーーいいけどーーー」
 「羨ましいの?」
 「そんなことないわよ!!」

 みきぽは、りかを見て笑った。


 みきぽとりかは、何とか間違える事無く、教科書等を買いました。

 「あっ!!間違えたーーーー!!!」

 大声で叫び!!!あわてて、走っていく男子1名。やっぱり、いました。

 「石井だーーーー!!」

 つぶやく、りか。
 同じ班の、石井でした。

 「この先、いろいろありそうだなーーーー」

 再びつぶやいた、りか。

 「そうかもね!」

 みきぽの返事も、簡単だった。


 その後。みきぽと、りかが、体育館からで出ると

 「この後、何か用事あるの?」

 聞いた、りか。

 「うんーーーーー別にーーーーーーー、あった!!」

 答えた、みきぽ。

 みきぽは、朝、ちはるからもらった、茶道部のチラシを見ました。

 「今日、もうすぐ茶道部のお茶会があるの!」
 「茶道部って?」
 「朝ね、茶道部の人から、チラシもらったの!」
 「行くの?」
 「行くつもりーー。りか、いっしょに行かない?」
 「あたし、部活はーーちょっとできないしーー」
 「そう。だったら仕方ないね」
 「どうして、茶道部に行くの?」
 「だって、お茶菓子があるもんーーー!!!」
 「やっぱりねーーーー」

 みきぽは、ここで、りかと別れてひとり、茶道部のお茶会がある、部室に行きました。

 部室に行くと、ちはるがいました。

 ちはるは、みきぽを見ると

 「あっ、来てくれたのね。ありがとうーー」
 「ちょっと興味があったのでーーーー」
 「茶道部って、どのくらい知っているの?」
 「中学の時、茶道部でした」
 「経験者なの!」
 「ちょっとだけですがーーー」
 「じゃ、入部決定ね!!」
 「あっ、はいーーーーーー」
 「今、お茶会してるから、入って!!」

 ちはると共に、奥の部屋に行くと、和室がありました。

 部屋には、着物を着た人がひとり、そして、女子生徒3人が座っていました。

 「先生、もうひとり、入部希望者がいました」

 ちはるが、着物姿の人に声をかけました。

 「そう。入ってもらって」

 そう言って、着物姿の人が振り向くと


 「せっ、先生!!!」

 思わず、みきぽは叫んでしまいました。

 「みきさんだったのーーー」

 着物の人は、担任のかおり先生でした。

 「先生が茶道部の顧問なんてーーー」
 「驚いた?」
 「いいえーー。先生、着物似あってますね!!」
 「よく言われるのよーー」
 「------」
 
 みきぽは、無言だった。
 かおり先生は、言う時は言う、人でした。


 みきぽも3人の女子生徒の横に座り、かおり先生の様子を見ていました。

 かおり先生は、お茶をーーーーー。

 見ていた、みきぽは

 「ちょっと、辛いなーーー」

 正座はつらいよ!

 でした。

 やがて、お茶も出来てひとり、ひとりに。
 みきぽの番になり、飲みました。
 思わず

 「------」

 そして、

 「どうぞ!」

 ちはるが、お茶菓子を出しました。

 それを見て、ニヤっとしたのは



 みきぽ!!


 でした。