校庭に出ると、父兄がいました。

「思ったより、遅かったわね!」

 「お母さんーーーー」

 みきぽの前に、母が来ました。

 「でもーーーー、この服で来たの!!」

 みきぽの母は、街でよく見る、いまどきの服装でした。

 (服のこと、よくわかりません。m(_ _)m)

 「みき、大学生に見える?」

 「そうねーーーー」

 確かに、母は32歳だが、年齢の割に、顔もベビーフェイスで若く見える。

 でもーーーー。

 「ねー、みきぽ、となりの女の人、もしかして、お姉さん?」

 教室で、後ろから声を掛けてきた、りかが後ろにいました。

 「みきのお友達ですか?」
 
 すぐに、母はりかに声をかけた。

 「はい」
 「みきをよろしくお願いしますね」
 「お姉さん、可愛いですね!!」
 「お姉さんだ、なんてーーー」

 母、照れる。

 みきぽ、あきれる。

 「りか、お姉さんじゃなくて、お母さんだよ」
 「えっ?お姉さんじゃなくて、お母さんーーー!!」

 りかは、改めて、母を見ていました。

 「とても、お母さんに見えないーーー」
 「よく、言われるのよーーー」
 「失礼ですけどーーー何歳ですか?」
 「いくつに見える?」
 「30代ですよねーーー」
 「当たり!」
 「後半ですか?」
 「はずれーーー!」
 「前半なんですか?」
 「正解を言うわね。     32歳!!」
 「えっーーーーーーーー!!!!!!!」

 りかの驚きが、半端じゃなかったです。

 「みきぽが16歳で、お母さんが32歳。お母さんは、みきぽを、16歳で産んだんですね!!!」

 りかは、感心しきっていました。

 すると、遠くから

 「みき!!」

 と、呼んでいる声が聞こえました。

 みきぽのお父さんでした。

 みきぽは、大きく手を振って

 「ここだよ!!」

 みきぽのおとうさんは、やや速足で、来ました。

 「なんとか、間に合ってよかった!」

 みきぽは、ニコっと笑って、父に言いました。

 「本当、よかった!!」

 続いて、母。

 「はじめまして、みきさんの友達の、りかと言います。よろしくお願いいます」

 りかは、やや緊張気味に、父にあいさつをしました。

 「みきのお友達ですか。仲良くして下さいね」
 「はい。おじいちゃんも、お元気ですね!」

 一瞬、父の顔色が変わったが、すぐに、にっこり笑いだした。
 母も、みきぽも笑いだしました。

 ?????????りかは?????????????

 「そうだよねーーー。普通に見たら、おじいちゃんだもんね!!」

 みきぽの言葉に、りかが

 「それ、どういうこと????」
 「実はね、おじいちゃんじゃなくて、お父さん!!」
 「えっ!!」
 「何歳に見える?」
 「70歳くらい?」
 「ほしいーーーー67歳」
 
 すると、また、りかが、驚いた。

 「みきぽは、お父さんが51歳の時の子供さんだったんですねーーー」



 父、みきぽ、母の3人が並んでいます。
 普通に見て

 おじいちゃん、孫、娘(孫の姉)

 です。


 「いいですか?撮りますよ!!」

 りかが、カメラを構えました。
 学校の門の横に、3人(父、みきぽ、母)が、並びました。その横には

 第50回入学式

 の看板が。


 「はい!チーズ!!」

 ガシャ

 にっこり笑った3人の写真が。


 「ありがとう」

 みきぽ。

 「いえいえーーー」

 りか。

 「りかの家族は来ていないの?」
 「うちは、両親共稼ぎだから、来てないのーー」
 「いろいろだね!」
 「そうね!」
 「じゃ!明日」
 「また!明日」

 みきぽと、りかは別れました。

 帰り道。

 「さっそく、お友達が出来てよかったね!」

 母が訊くと

 「たまたま、りかが後ろの席で、声をかけてくれたからーーーー」

 みきぽが、答えました。

 「そういうものよ。友達を作ろうと思っても、出来ない時もあるし、たまたま席が近くで、友達にーーーとか」

 「そういうのを、人の出会いっていうのかな?」

 「そうね。たくさんの人がいて、その中で、何人の人と出会えるのかーーーー」

 「いっぱい、たくさんの人と、出会いたいなーーー」

 「みきなら、たくさんの人と、出会えるわよーーー」
 
 母とみきぽ。お互いに顔を見て、笑った。

 そんなふたりを見て、隣の父も笑った。

 久しぶりに、親子3人での、会話&散歩???でした。



 もうすぐ、帰宅。

 玄関前。


 みきぽが先に行き、玄関の戸を開けて

 「ただいま!!」

 家に入ると、すぐに自分の部屋に行きました。

 そんな姿を見て、父

 「いくつになっても、変わらないなーーー」

 「そうですねーーー」

 そう答えた、母が笑った。

 「みきは、ふたりの宝物だなーーー」

 「いつまでもーーーじゃ、ないですけどねーーー」

 父と、母は、ずっと、みきの後ろ姿を見ていました。




 一方、部屋に入ったみきぽは。

 「あぁーーー疲れたーーーー」

 ふと、スマホを見ると、メールが来ていました。

 「誰かな?」

 天使の担任の先生でした。




 みきぽ、今日はお疲れ様。人間界第1日目でしたが、どうでしたか?
 これから、いろいろな人と出会います。大切にして下さいね。
 今日は、これから夕食を食べて、ぐっすり睡眠をして、明日から早速、天使としての課題をして下さいね。
 課題は、明日またメールしますね。わからない事とかあったら、メールで聞くなり、直接電話下さい。
 それと、勉強もちゃんとして下さいね。人間界の高校も、成績が悪ければ、落第がありますよ。
 でわね!!



 「はーーーい、わかりました!!」

 ちょっと疲れて、少しお腹が空いたみきぽでした。

 「課題って、いったい何だろう?」

 いろいろ思いつつ、なぜか、眠くなった、みきぽでした。


 時間が過ぎて。


 ドアを叩く音。

 「みき、夕ご飯で来たわよ!!」

 母の声。

 「はーーいすぐに行きます!!」

 うつら、うつらしていた、みきぽでしたが、なぜか、食事の事になると、すぐに目を覚ましました。

 

 「わっ!!すごい!すごい!!」

 食卓には、たくさんの食事がありました。

 「今日は、みきにとって、記念の日ですからね、たくさん、みきの大好物を作ったわよ!!」

 ちなみに

 海老ピラフ

 海老フライ

 その他海老料理。

 デザートは

 いちご

 いちごミルク 他

 (料理に詳しくありません。お詫び m( _ _)m)


 「お母さん、ありがとう!!」

 みきぽの、目が、輝き始めました。

 「いただきまーーーす!!」

 食べることに、執着心を持っている、みきぽ、でした。

 

 食事も終わり、みきぽは、部屋にもどり。

 「これから、いろんな事があるんだろうなーー」

 高校の制服を見て

 「この制服、けっこう気に入ってるなーーーー。天使の高校も、こんな制服だったらいいけどーーー。ちょっと違うからなーーーー」

 ひとり言の、みきぽ。だんだん、眠くなって。

 「おやすみなさい」

 入学式の1日が、終わりました。

 寝る子は育つ。みきぽも育つ。かな???


 次の日。


 みきぽの部屋のドアをひたすら、叩く音が!!!

 「みき!!いつまで寝ているの!!もう起きないと、遅刻するわよ!!」

 母のどなり声の響く、家の中。ひつこく眠るひとりの女の子がいた。

 その名は

 みきぽ!!!!!

 まだ起きないので、部屋に入った母は

 「起きなさい!!」

 みきぽの、掛け布団を、思いっきりはがして、起こしました。

 やっと、目を覚ましたみきぽは

 「おはようーーーー」

 まだ、半分寝ている様子。

 「ここまで起きないって、すごいね!!」
 「ありがとう、ございます」
 「はぁ?????」
 
 とにかく、寝起きの悪い、みきぽでありました。


 朝食。いつもの通り、ご飯、味噌汁、その他。
 朝食は、3人そろっての食事です。

 そして、出かけます。

 「行ってらっしゃーーーーい」

 母、お見送り。

 「行ってきまーーーーす!!!」

 元気よく、みきぽ。

 「はい、行ってきます」

 落ち着いて、父。

 みきぽは、少々長い、通学です。

 乗り物に乗りながら

 「毎日、毎日。こう通学が長いと、疲れるなーーー」

 愚痴でした。

 「時々、天使の羽根を着けて、行けたらいいなーーー。通学の時間が3分の1になるんだけどーーー」

 頭の中で、その情景が浮んだ、みきぽでしたがーーーー。

 「無理無理無理!!!!そんなの見られたら、もうこの世界に住んで居られなくなるもんね!」

 ひとりごと、みきぽでした。


 やがて、学校に。

 「やっと着いたーーーーー」

 昨日は、入学式でしたが、今日は普通の日です。学校には、普通に新入生の他に、2年生、3年生もたくさんいます。
 
 校舎に入って、廊下を歩いていると、前から、上級生らしい、女の子が歩いてきました。

 「おはようございます」

 先に、あいさつしてきました。

 「あっ、おはようございます」

 みきぽも、あわてて、あいさつしました。

 「昨日、入学した新入生ね」
 「はい」
 「この学校、ちょっと変な学校だけど、いろいろ楽しいこともあるからーーー」
 「変なところってーーー?」
 「そのうち、わかるわよ」
 「はい」
 「ところで、部活とか、決めちゃった?」
 「いえ、まだですけどーー」
 「体育系?文化系?」
 「あたし、運動苦手なんでーーー」
 「じゃ、うちの部活入らない?」
 「何部ですか?」
 「茶道部!」
 「茶道部?」
 「お茶は、日本人のこころよ!。ちゃんと礼儀作法も身に着くしーー」
 「はい」
 「それと!」
 「それと?」
 「なんたって、お茶菓子が食べれる!!」
 「食べれるんですか!!」

 みきぽの目が、輝きはじめました

 「検討していてね!」
 「はい」
 「部活は、毎週木曜日だからね。」
 「十分に検討します!!」
 
 みきぽは、ニヤっと笑いました。

 「この紙に、詳しいこと書いてあるから」
 「ちゃんと読みます」
 「よろしくね!」
 「はい」
 「茶道部、2年、名前は、ちはるです!!」

 さばさばした、女の子でした。

 ちなみに

 鯖を持って

 「鯖ガールです!!」

 では、ありませんがーーーー。



 教室に入ると、

 「みきぽ、おはよう!!」

 りかがいました。

 「おはよう!」
 「昨日は、どうだった?」
 「どうだった?って?」
 「親子3人で、あの後どこか行ったの?」
 「どこも、行かないよ」
 「てっきり、食事にでも行ったのかと思ったけどーー」
 「家に帰って、お母さんが、あたしの大好物を作ってくれたの」
 「お母さんって、料理うまいの?」
 「割と上手よ」
 「割とって?」
 「割とよ!」
 「みきぽはいいな、お母さんが料理作ってくれて。家なんて、共稼ぎだから、いつも夕食とか、コンビニ弁当とかだからーーーー」
 「りかは、料理とかしないの?」
 「最近ね、少しするようになったの。面白いよ!!みきぽはどうなの?」
 「料理ね、全然しないの!」
 「しないの!したほうがいいよ!だんだん面白くなるからーーー」
 「検討します!!」

 その時、チャイムが鳴り、みんな席に座りました。
 
 担任のかおり先生と、副担任の富士先生が教室に入ってきました。

 富士先生

 「起立」

 「礼」

 全員

 「おはようございます」

 富士先生

 「着席」