美紅side


全部、聞いた。
春人くんにそんな事があったなんて。

[ごめんな、美紅。]

とても弱々しい声で謝ってくる春人くんになんて言えばいいのか、分からなくて
戸惑ってたら

[今更、こんな事言われても困るよな。
ただこれだけは言わせて。
あのとき本当に美紅の事が好きで告白した。
馬鹿だから、あんな偉そうな言い方した。
でも本当に好きだったんだよ。]

[うん。私も好きだったよ。
春人くんのこと。
話してくれてありがとう。
話してくれなかったら、ずっと春人くんのこと、最低男って思ってたよ]

少し笑いながら春人くんに言った。

[美紅、ありがとう。]

なにに感謝されたのか分からなかったけど、

[うん]

とりあえず返事はしといた。