それから休憩時間は毎回他のクラスの子達まで私を見に来た。
…動物園のパンダの気分。
何回も同じ事を聞かれ、
何回も同じ事を言うのを繰り返していた。
ちょっと疲れてきたな…と思っていると友人に話しかけられた。
「お疲れみたいだね。
まぁ無理もないか、朝から質問攻めだったし。」
彼女は門真美希(かどまみき)。
高校1年の時からの友人だ。
基本的にみきと一緒にいることが多い。
「同じことばかりしんどいよー…。」
「二人が付き合いだしたって噂一瞬で広まったしね。
それにしてもさー、私にまで隠してたってどういう事!?」
「隠してたって…付き合いだしたのは昨日からだから言うタイミングがなかったんだよ。」
「ちがーう!!
私が言いたいのは楠木遊佐君が好きだったって事よ!!
どれだけ私がかっこいいって騒いでても興味なさげな感じだったのに…」
「だって…付き合うとかそんなこと絶対ないって思ってたから、言っても意味ないかなーって…思ってた…。」
「そんなこと考えてたの!?
…まぁいっか。
結局お似合いカップルになってるし、今更どうでもいっか。」
実は契約カップルです、とは口が裂けても言えないこの状況。
でも美希にはいつか本当のことが言えたらいいな…
そんなことを考えながら休憩時間は話をしていた。