「…パパ、ママ、ありがとう。」
「妃奈、向こうへ行ってもこれだけは忘れるな。
パパもママも…いつだって妃奈の味方だ。」
「そうよ。
何があっても妃奈のそばにいること、忘れちゃだめよ?」
「ふふ、うん。」
本当にありがとう…。
たくさんのことを話していると出発の時間が来た。
最寄駅まで二人ともついて来てくれた。
そして、駅のホームには既に彼がいた。
「………遊佐。」
私が来たことに気づき、近づいてきた。
そしていきなり頭を下げてきた。
訳が分らない。
「妃奈のお父さん、お母さん…妃奈を傷つけて本当にすいませんでした。」
「…今二人は付き合ってるのか?」
「付き合わせてもらってます。
こんな俺と妃奈が付き合ってるっていうのは納得できないと思いますが、俺は本気です。
これから遠距離という形になりますが、妃奈の事を…俺なりに支えていきたいと思ってます。」
遊佐の思いに涙腺がやられた。
私今日何回泣いてるんだろう…。
「二人の関係に口を挟むつもりはないわよ?
ただ…また娘を傷つける事があったら、流石に黙ってないからね?
ねぇ、パパ。」
「あぁ。
二人が納得してるならそれでいい。」
無事遊佐とのお付き合いを認めてもらい、私の中ではもう思い残すことはない状態だ。